満足するおんな

私は悪い女だ。

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今ある幸せに、浸り、感じ尽くすという

能力を持ち合わせていない。

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与え尽くされ、抱き寄せた

幸せの上にそっと寄り添い尽くす事が

出来ない。

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いつも足りないピースを探しては

悔やみ、憧れて、

躓きながら走り出してしまう。

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仕事においては、

幾分、必要な素質ではあるかもしれないが

女としては、酷く扱いにくいはずだ。

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そんなわけで今回の題名は

満足するおんな。

である。

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22歳でお見合い結婚したそのおんなは、

恐ろしく世間知らずだ。

年の離れたご主人のご加護の元

今日も明日も。この先ずっと

変わらない毎日を心の底から信じて疑わない。

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そして、陽だまりの様にいつも満たされた

顔をしている。

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見ているこちらが時々、

不安にならないのかな？

なんて老婆心を抱くほどに。

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最近、心底思うのは

結局幸せとは、自分の心にあるもので

その状況を指すものでは無いという事だ。

だから、今の自分に満足できる気持ちは

とても大切な様に思う。

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仕事から帰ってきて、玄関を開けた瞬間から、「ほんわかメンタルスイッチ」

を入れられたら

どんなに生きやすいのか。

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満足するおんなでありたい。

少なくとも夫や子供に対しては。

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今ある全てに満たされていると

感謝できるおんなになりたい。

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こうやって私はまた、

自分の中に新しい「不足」を確認するのだ。